不登校の原因は母と子の心の距離が関係している【脳科学的観点】
こんにちは、内山です。
シリーズで不登校になる原因と解決方法を書いています。
今回の記事は不登校になる原因がよくわからない、不登校や引きこもりが長引いている、このような悩みを持つお母さんに向けて脳科学的な知見からその原因をお伝えしています。
不登校や引きこもりのお子さんが幼稚園時代から集団にうまく馴染めない、場面緘黙、お母さんと離れるとギャン泣きしていた場合、メンタルに問題がある可能性が高い。その場合、お母さんにも同じ傾向があったはず。不登校を解消したい場合、やるべきことは母親のメンタルを整えてあげれば必ず解消する
— 内山和久 人生はメンタルが9割 (@uchiyama_kazu_) May 23, 2022
不登校の原因は母と子の心の距離が関係している
前回までの話で不登校の原因は母親のメンタルが関係していると伝えました。メンタルを整えることで必ず不登校が解消されます。(前回までの記事はこの記事の下にリンクを貼っています)
前回までの記事のおさらいをすると不登校になる原因は分けるとわずか2つに絞られます。
- 1.発達障害、学習障害、統合失調症などの先天的な原因
- 2.メンタルの問題(親子問題)
1番は先天的な脳機能の影響のため、子育てに問題があるわけではありません。
なので基本は環境調整での対応になり、無理に勉強をさせたり、学校に行かせることは本当の意味で子どものためになりません。
ただし、発達障害は誤診がとても多いため本当に信頼できる医療機関での受診をオススメします。特にADHDは誤診が多く、私のクライアントも高い確率で誤診が起こっています。(=実際は親子問題であることが多い)
心の距離
2番はメンタルの問題で、不登校になる原因は必ず親子問題に行き着きます。それは大抵の場合、母親の生きづらい生き方を子どもが受け継いでいることが原因になっています。
先に結論からお伝えすると母と子の『心の距離』が近くなれば不登校や引きこもりは必ず解消します。
心の距離とは『子どもに対する興味』と『子どもとの信頼関係』を併せ持った概念のこと。両方ともとても大切なので1つずつ解説します。
10個の質問に答えるだけで、なぜ、お子さんとの距離が遠くなるのかが分かります。
子どもに対する興味・関心
母親の中には子どもに対してあまり興味・関心を持たない人がいます。
例えば、子どもがテストで100点を取っても「よかったわねー」という一言だけで終わらせて、それ以上誉めない。子どもが熱を出してもあまり心配をしない。子どもに適切なタイミングでご飯を作ってあげない。ご飯を美味しく作る気がない、など。
これらは子どもに対する興味が薄い母親のケースで、心の距離が遠いと判断します。この場合の子どもは不登校になることがあります。
しかし、この記事を読んでくれているお母さんは、子どもに対する興味・関心は間違いなくあると思います。なぜなら、私はそんなお母さんに向けてこの記事を書いているからです。
子どもとの信頼関係
子どもとの信頼関係とは、子に興味・関心があり、さらに感情の共有が非常に大切です。
例えば、子どもが幼稚園でこんな楽しいことがあったと報告した場合、子どもの「嬉しい」という感情を汲み取って「それはよかったねー」と母親が子の嬉しい感情を共有する
これは一見、当たり前のように思えますが、実は不登校で悩んでいるお母さんの多くはこの感情の共有が不十分です。
例えば、子どもが幼稚園でこんな楽しいことがあったと報告した場合、不登校で悩むお母さんは、「なんて言ってあげるのが正しいだろう?」と頭で考えて言葉にしています。つまり、感情をベースではなく思考ベースの会話をしているわけです。
「ん?どういうこと?」と思いますよね?(苦笑)
少しややこしい話なのでよく聞いてください。子どもが嬉しそうにしている、だからこれは嬉しいことだと頭で判断して、それに対して「よかったねー」と返すことが正しい対応だと思っている。母の言葉に「嬉しい」感情が乗っていないため、子どもはそれを敏感に察知します。
また、子どもが「ママ抱っこして」と言えば、その言葉の背景には「甘えの感情」があるわけですが、不登校の子を持つ母親は「甘える」という感情自体がよく理解できません。母親の中には甘えるんじゃないと少し腹を立てる人もいます。
不登校で悩む母親は喜怒哀楽といった「情動」が子どもの頃に封印され、感情ベースの会話が非常に苦手です。何が楽しい、これが腹が立つ、これが悲しい、これが嬉しい、といった情動ベースの会話が希薄です。
情動が弱い代わりに、不安と焦りといった気分に支配されていることが多いです。そして、いつも「何が正しいのだろう?」「私が間違っているんじゃないか?」「子どもに申し訳ない」といったネガティブな感情を抱きながら一人で頑張って生きてきています。
子どもとの感情の共有が薄く、「自分は正しい対応ができているか?」といつも不安に感じている傾向があります。
子と信頼関係が築けない理由
信頼関係とは言葉の通り『関係性』なので、母と子の2人の関係がベースです。
ここまでお伝えした通り、メンタルが原因で不登校になる子の母親は「心の穴」の影響で、自分のことを信頼できていません。なぜなら、いつも自分は間違っていると思っているからです。
子どもと接している時も、「いつも正しい接し方ができているだろうか?」と不安に感じながら必死に頑張っています。
昔から『自分を信じられない人は他人を信頼することができない』と言われる通り、自分を信頼していないお母さんが子どもと信頼関係を築くことはできません。なぜなら、土台となる自分のことを信じていないからです。
この場合も子どもとの心の距離が遠いと判断します。子どもとの心の距離が遠いと、子は必ず不安が強くなります。
不安が強い子どもの特徴
メンタルの問題で不登校になる子どもは不安が強いという特徴があります。具体的には母親の顔色を伺う頭のいい子。
2才くらいからチックの症状がでたり、お母さんから離れると強い不安を感じる、知らない人と話せずに泣いてしまう、場面緘黙、幼稚園や保育園から集団に上手く馴染めない、このような特徴が出ることが多いです。
小学校になると頭痛や腹痛の症状を訴えたり、起立性調節障害の症状が出る子どものいます。
これらはすべてメンタルの問題で、その原因は母親との心の距離が遠いことが関係しています。なぜ心の距離が遠いと不安が強い子どもになるのかと言えば、自分の感情を母親ときちんと共有できないと、自分の存在に自信が持てないからです。
子どもは感じたことをありのままに伝えている→しかし、母親はその感情を共感してくれない。こうしたことが続くと、自分は本当に正しい存在なのか?という不安を蓄積していくことになります。
そして正しいと思えないから不安が強くなり、学校のお友達や先生とも上手く関われなくなります。つまり、不登校の原因は「強い不安」を感じていることが根本にあります。
この不安をなくしてあげることで、不登校問題は解決し、お友達とも楽しく遊べるようになります
注意するべきこと
心の距離が遠いお母さんの中には、子どもが学校に行きたくないと言っているから、「学校に行くことがすべてではない」というスタンスを取り、子どもの主張を支持していることがあります。
その結果、家で好きなことをさせたり、一定距離を取って見守っていることがありますが、それは大きな間違いです。逆に言えば、そのスタンスこそが子どもが苦しむ根本原因になっています。
お母さんは本当に心の底から学校に行かなくてもいいと思っていますか? 今の選択が本当に正しいと思っていますか?
きっとそうではないはずです。もちろん学校行くことが全てではありません。
しかし、本質的な問題として、不登校の子どもは不安が強く、人と関わることが苦手です。その状態で長い人生を歩んでいくことは、必ずハードモードの人生になります。
まず学校に上手く溶け込めないし、社会人になってからも人と上手く関わることができないので、良好な人間関係を築けません。当然、パートナーシップも苦手になります。
この解決方法はたった1つで、それが子と母の心の距離を近づけることです。これさえできるようになれば、お子さんの不登校問題は解消され、人が怖いということもなくなり、人生は180度変わります。
なぜ心の距離が遠くなるのか?
子どもと心の距離が遠くなる理由は、お母さんのメンタルの問題に行き着きます。具体的に言えば、お母さん自身が、子どもの頃から集団に上手く馴染めなかったり、人に助けを求められなかったり、自分の本音や感情を伝えられない人生を歩まれてきていると思います。
その根本原因には、「心の穴」と呼んでいる人生全般に強い影響を与えているメンタルブロックの存在があります。
不登校のお子さんを持つお母さんの『心の穴』は3種類。
- 人とつながってはいけない
- 存在してはいけない
- 幸せになってはいない
です。
例えば、「人とつながってはいけない」という「心の穴」があるとそれが人生の目的になります。小学校の頃から友達が少なかったり、集団に上手く溶け込まなかったり、社会人になってからも会社で良好な人間関係を築けなかったりします。そして問題は、人とつながらないことが人生の目的になるため、自分の子どもとも上手くつながれません。
また「存在してはいけない」という「心の穴」があると、いつも自分の考えに自信がなく、間違っているかもしれないという不安を感じています。それは子どもに対しても同じで、正しく接しているのか自信が持てないまま不登校になり、その後も何が正しいのか分からず時間だけが経ってしまいます。
「幸せになってはいけない」という「心の穴」は、幸せにならないことが人生の目的になっているため、旦那さんがモアハラだったりDV気質だったり、家に帰ってこない自由人を選ぶ可能性が高いです。
いずれも『安心』がとても大切なキーワードで、不登校の子を持つお母さんは『心の安心がない』状態で生きてこられていることがほとんどです。
子どもはそんな母親のことを見て育つため、他の子どもに比べて安心がなく、自分に自信が持てず、人間関係も苦手で集団に上手く馴染めなくなります。
心の穴は簡易版の診断を用意しているので、興味がある方はやってみてください。ただしあくまでも簡易版のため診断結果にズレが生じることがあります。
10個の質問に答えるだけで「心の穴」が分かる簡易診断はこちら。
次回は「心の穴」について詳しくお伝えします。
追伸:毎月10名様限定で私たちプロコーチが脳科学と心理学の観点から行う50分間の無料カウンセリングを開催しています。
話す内容は、zoomを使って好きな場所から参加していただき、お子様の状況を詳しくお聞きした上で、不登校や引きこもりの原因をプロの視点から解明するというものです。
10年以上引きこもりが続いているケースのご相談でもお受けすることが可能です。また引きこもっているご本人様のご相談も大歓迎です。
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