「なぜ、コーチングの効果がないのか？」その明確な理由
こんにちは、内山です。
2011年からコーチとして活動する中で
どうしても分からないことがありました。
それは
『コーチングの効果が全くない人がいる』
ということ。
これはコーチとしては
絶対に解明しないといけないこと。
しかし、その理由が全く分かりませんでした。
今日はそんな話をします。
もし、あなたが
- コーチングを受けたが思った効果がなかった
- 自己啓発セミナーに長年通っている
- 人生の中に充実感や達成感がない
- 色々なワークをしたが思った効果がなかった
こうしたことを感じたことがある場合、
この記事は非常に重要な意味を持つかもしれません。
私の実体験を元にした話をしていきます。
コーチングの効果がなかった高田さん
以前、私のクライアントに
高田さん（仮名）という人がいました。
高田さんとはじめて出会ったのは
都内の高級ホテルラウンジ。
第一印象はスポーツマンらしい
爽やかなイメージでしたが、
とても緊張していることが伝わってきました。
初回のコーチングでは
緊張されるクライアントが多いので
そこまでは気にしなかったのですが、
この後、大きな壁にぶつかります。
と、いうのも
いつもならコーチングを進めていくと
緊張が緩み、途中から笑顔になっていきます。
しかし、高田さんの場合、
その緊張が緩むことは
何ヶ月経っても決してありませんでした。
特に気になったのは、
時々、笑顔にはなるものの
無理に笑顔を作っている・・・
ということ。
初回のセッションが終わり
２回目、３回目、と続きましたが
コーチングの効果はほとんどありません。
ずっと緊張されていて
そして「無理な笑顔」も続いていました。
これはおかしい・・・
何かが違う・・・
違和感だけは感じるものの
何が違うのかはわかりません。
そして４回目、５回目、６回目と
コーチングが続きましたが、
結局、高田さんに思った変化はありません。
ずっと緊張されているし
ゴールも分からないまま。
これはもちろん、私の実力不足が原因ですが
最も気になったことは
なぜ、コーチングの効果がないのか？
この原因が全く分かりませんでした。
原因さえ分かれば、
「あー！あそこで間違った！」
「もう少しこうすればよかった！」
という反省ができ、改善することができます。
しかし、高田さんの場合、
何がダメだったのかが全く分かりません。
つまり、反省さえすることが
できなかったわけです。
これは考えてもない場所に
問題の本質があるに違いない。
きっと私は見当違いなことをしている。
そう確信しました。
少し違う話ですが、
未知の病気が蔓延して
目の前で苦しんでいる人がいるのに
全くその治療法が分からない。
こうした感覚を覚えました。
だからこのまま終わってはダメだ！と思い
高田さんにお願いをして
引き続き無償でコーチングさせて頂きました。
コーチングは基本的に
過去の話は聞きません。
しかし、思ってもみない所に
根本原因があると思っていたので
思いきって高田さんの子どもの頃の話を聞くことにしました。
すると、こんなことが分かりました。
高田さんは子どもの頃から
人間関係を築くことが苦手で
自分は普通の人とは違う！と
ずっと感じてこられたそうです。
普通の人が当たり前にできることが
自分にはできない。
だから、ずっと普通になりたい！
そう思って生きてきた。
そんな話をしてくれました。
また、運動神経がよかったので
学生時代は野球にのめり込んでいたそうですが、
チームの一員と思ったことがなく
自分は他の人とは違うと思っていた。
大学時代にはアルバイト先で
女性から告白されましたが、
自分のことを好きになって貰える筈がない！
と怖くなり逃げてしまったそうです。
とても興味深いことは
頭ではお付き合いしたい！と思っているのに
猛烈な恐怖に襲われたということ。
また学生時代からいつも不安に支配され
その不安を解消するために
色々な行動を取り続けてきたこと。
職場ではめちゃくちゃ働き
一人で仕事を抱え込み
サービス残業も当たり前で
誰よりも働いてきたこと。
それでもいつも誰かに
怒られるかもしれない！という不安を抱え
たった一人で頑張ってきたこと。
こうした１つ１つの
エピソードを伺い
その事象と照らし合わせて
論文を読んだり
心理学協会の勉強会に参加したり
色々な書籍で学んだりしている時に
ふと、こう思いました。
あれ・・・？
高田さんと、私の母親はよく似ている
そう思いました。
私の母親は、
毎朝５時に起きて畑仕事をして
そこから俺たちの朝食と弁当を作り
その後、パートに出て働き
家に帰ってきてから家事を徹底的にして
いつも埃一つ落ちていない
窓ガラスもいつも綺麗。
そんな状態を維持していました。
さらに祖母の介護も１人で行い
毎晩１２時過ぎに寝る。
こんな生活を続けていました。
私は子どもの頃から
なぜ、そんなにも頑張るんだろう！
もっと手を抜けばいいのに・・・・
そう思っていました。
だけど、高田さんの話を聞き、
高田さんも、私の母親も
「頑張らない」という
選択肢自体がないんだ！と分かりました。
つまり、
やりたいから頑張る！
ではなく、
不安から逃げるために頑張る。
不安から逃げるための
モチベーションだと理解したのです。
圧倒的な不安の正体
数年前、
「世界の果てまでイッテQ」
という番組で
イモトアヤコさんが足に肉をつけて
コモドドラゴンに
追いかけられるという企画がありました。
あまりにも怖くて
全力で走るイモトさん。
物凄いスピードで逃げます。
これはバラエティ番組の企画ですが
コモドドラゴンは『恐怖』の象徴。
止まると大怪訝をする
下手をすると死ぬかもしれない。
そんな状況では
逃げるという選択肢しかありません。
もしですよ？
どれだけ逃げても追いかけてくる
『コモドドラゴン＝恐怖』がいたら
どうでしょう？
それは戦っても
絶対に勝てそうにない相手。
怖くて怖くて仕方がないから
ずっと逃げ続けることになります。
人生を消耗させる『心の穴』
コーチの大切な役割の１つに
クライアントの
『ゴール＝やりたいこと』
を導き出すサポートをします。
しかし半年間、
高田さんにコーチングをしましたが
ゴールを決めることはできませんでした。
なぜ、高田さんにコーチングしても
ゴール設定ができなかったのか？
それは、高田さんに
『安心感』
がなかったからです。
高田さんはいつも「不安」があり
どれだけ頑張っても
その不安は決して払拭できない。
高田さんが頑張り過ぎるのは
圧倒的な不安があるからで、
不安から逃れるために
頑張り続けていたわけです。
ぜひ一度、考えてみてほしいことは、
もし、あなたがハイキングをしている時に
大きなクマに遭遇し
追いかけられたとしたら・・・？
クマに追われている時に、
未来のことを考えろ！
と言われても考えられないと思います。
「人生をかけてするべきことは何か？」
こうした重要なことは
安心がベースになっています。
不安に支配されると
未来のことは考えられない。
こうしたロジックが成り立っています。
高田さんに向き合い
分かったことは、
それは高田さんには
「決して安心することができない」
という「心の穴」があること。
「心の穴」とは
不安や生きずらさを引き寄せる根本原因のこと。
「心の穴」を埋めない限り
ずっと同じ種類の不安を引き寄せ続ける。
こうした仮説に行き着きました。
高田さんの「心の穴」は何か？
それは、どんなことをしても
『決して安心できない』
というものでした。
現在、「Hole理論」では
細かい穴も含めると１００以上の
「心の穴」を定義していますが、
高田さんの「心の穴」は
その中でも最も過酷な心の穴と
定義しています。
安心が人生の土台
なぜ、高田さんにコーチングの効果がなかったのか？
それはコーチングとは
「私はいかに生きるべきか？」
「私は何をすべきか？」
「私はどんなことをするべきか？」
といったゴールありきの生き方を考える理論ですが、
高田さんは、そもそも『私』が分からない
『私』という存在が不安定だからです。
デカルトの有名な
『我思うゆえに我あり』
で説明すれば
高田さんと同じ『心の穴』がある人は
我思うという
『我』自体が不安定で揺れ動いています。
だから、あなたは何をしたいの？
と聞かれても『私』が分からないから
なんて答えていいか分からない。
こうした状態に陥ります。
だから、ゴールありきのコーチングでは
どれだけ頭を振り絞っても
決してゴール設定ができません。
なぜなら、ゴールを設定する
『私』が不安定で
その『私』を疑っているからです。
今日はめちゃくちゃ大事なことを
話しました。
こうした「心の穴」を発見し
埋めることで本来あるべき人生に
進めるというのが「Hole理論」である
ということを最後にお伝えして
終わりにします。
簡易版のため、診断結果にズレが出ますが
あなたの「心の穴」診断はこちらからできます。
興味がある人はやってみてください。
https://resast.jp/page/fast_answer/5926
では！
追伸：実際のインタビュー
今回、ご紹介した
「決して安心できない！」という
「心の穴」がある人が
どのように人生を変えていくのか？
実際にその変化をインタビューしました。
実際の記事はこちらから。
１０年間引きこもりをした女性が人生を変えた話
https://c-efficacy.com/１０年間引きこもりをしていた女性が人生を変え/